初期胚移植と胚盤胞移植のメリット、デメリットは何ですか?
■胚盤胞移植のほうが着床率は高い
受精後、受精卵(胚)は分裂を繰り返します。そして、初期胚から胚盤胞へと成長していきます。ただ、体外受精の場合、初期胚から胚盤胞へいたる間で分割が止まる卵が多いんですね。8分割までは問題なく分割して見ためもきれいだった初期胚でも、突然、分割が止まってしまうことがあります。
ですから、まずは胚盤胞まで成長した卵を移植したほうが、着床しやすいだろうという考え方があるのです。これが胚盤胞移植のメリットといえるでしょう。
ただし、胚盤胞まで成長したからといって、必ず着床するとは限りません。胚盤胞移植をしても、その後、成長が止まり、着床しないことも多数あります。
■受精卵ができても移植できないことも
一方、胚盤胞移植のデメリットですが、胚盤胞移植をすると決めた場合、移植そのものができない可能性が生じます。卵がいくつかあっても、ひとつも胚盤胞まで成長しないことがあるからです。
こうなると、せっかく採卵をして受精卵ができたとしても肝心の移植までは到達しません。当然、妊娠の可能性はなくなります。
■初期胚移植でも妊娠は可能
初期胚で移植しても途中で成長が止まってしまったら、移植をしないのと結果は同です。
ただ、培養器のなかで育つのと、体内で育つのは100%同じとは言い切れないかもしれません。
最近の培養液や培養器はとても進歩して体内とかわらない水準を保てるようになったともいわれますが、どこかしら子宮環境とは違うかもしれない。
だとすれば、初期胚で戻すこともひとつの選択肢になるでしょう。
受精卵をいかす、周期をムダにしないというのが、初期胚移植のメリットといえます。