胚盤胞の胚は大きいほうが良い胚と聞きました。同じグレードでも大きいほうが胚の質は良いのですか?
■胚盤胞の直径が大きいと良い胚といわれる理由
確かに最近、胚盤胞の直径が大きいほうが良い胚といわれています。
胚は初期胚から桑実胚、胚盤胞と分割を繰返しながら成長していきますが、初期胚と胚盤胞を比べると胚盤胞のほうが大きくなります。
ご相談のように、胚盤胞が大きいということは成長が進んでいるということです。成長スピードが速い胚は、その後の成長も期待できると考えられ、良い胚と解釈されます。
■同じグレードなら直径が大きいほうがいい
たとえば胚のグレードが3以上で直径が140、160、180であれば、160とか180のものが良いと考えます。
ただ、胚が大きいと透明体を破るアシステッド・ハッチングをするときに胚を傷つけないように、胚が収縮しているときにアシステッド・ハッチングをするよう注意しなければなりません。
胚盤胞は透明体のなかで拡張と収縮を繰返しながら成長しているのです。
■いろいろな条件から移植する胚を決定する
胚の分類基準としてグレードがありますが、同じグレードなら直径が大きい胚を選んで移植するという選択肢があります。
ただ、グレードが異なる場合はどう判断するのか。胚の直径はやや小さめでもよりグレードの良い胚を移植するのか、それともグレードはやや落ちるけれど胚の直径が明らかに大きい胚を移植するのか。
そのほかにも患者さんの治療経過や状況など、いろいろな条件を加味して判断することになるでしょう。