精子は熱に弱いと聞きました。性交後に入浴しても良いですか?
■温度が低すぎる、高すぎる環境はNG
確かに精子は熱に弱いといわれます。ですから、人工授精をする際にご自宅で採取した精子を病院に持参するときは、「人肌程度の温度のまま持ってきてください」などと病院から伝えた時期もありました。ですが、いろいろなデータを見ると、そこまで神経質にならなくても問題ないと思われます。室温程度で大丈夫です。
精子にダメージを与えるのは、たとえば、0度近く。4~5度くらいまで低くなると精子の動きは止まってしまいます。反対に40~50度以上の高温も避けたいところですが、通常の入浴程度であれば問題ありません。
■精子がつくられる精巣が温かいのは要注意
精子が熱に弱いといわれるのは、精子が産生される環境が高温状態にあるのは好ましくないということです。たとえば精索静脈瘤の場合、温かい血液が逆流して精巣が温められてしまいます。精巣が温められると元気な精子がつくられにくくなってしまうのです。
通常、精巣は体温より少し低めの32~34度程度が適温なのですが、これが37度程度になると精子の産生に悪影響が出てしまいます。精子と温度の関係でいうと、精子がつくられる過程の温度が問題ということです。
男性で長時間、同じ姿勢で運転をする方、その間、下着でぴったりと下半身が固定され圧迫されているような状態が続くと精液検査の値が悪いといった報告もあります。
ですから、男性で気になる方は生活習慣などを振り返ってみるといいでしょう。
■日常生活の範ちゅうなら問題ない
ご質問の方は、性交渉をして女性の体内に入った精子が熱に弱いから...と思われているのでしょうか。
精子が熱に弱いというのは、精子がつくられる環境が通常より高温だと精子にダメージが出るということです。
通常の入浴であればまったく問題ありませんので、ご安心ください。