葉酸は何故とったほうがいいのですか?
■葉酸は胎児の正常な発育に欠かせない
葉酸はビタミンB群の一種で、細胞増殖に必要なDNA合成と深く関係しています。新しく細胞がつくられるときに欠かせない栄養素ということです。
葉酸を妊娠初期に摂取することが推奨されているのは、新しい細胞が活発につくられる時期だから。妊娠初期に起こる胎児の先天異常に「神経管閉鎖障害」がありますが、葉酸不足が関係していると指摘されています。
神経管閉鎖障害の症状はさまざまで極めて軽い場合は日常生活に支障はないとされますが、重症だと無脳症や運動障害などを引き起こすこともあります。そのため、厚生労働省は妊娠初期に食事からの葉酸摂取にプラスして、サプリメントなどの栄養補助食品から1日400μgの葉酸を摂取するよう通知を出しています。
■妊娠前から食事+サプリメントで摂取するのが理想的
胎児が正常に発育するのを助ける葉酸ですが、妊娠を望んでいるなら妊娠前から摂取を心がけるといいでしょう。先に記した厚生労働省の通知には、「妊娠可能な年齢の女性、妊娠を計画している女性および妊産婦」に向けて葉酸摂取の必要性を知らせるよう記されています。
つまり、妊娠を望んでいるなら葉酸を摂取することが望ましいということ。葉酸を豊富に含む食品にはのりやワカメなどの海藻、納豆などの大豆食品、ほうれん草やアスパラなどの野菜などがあげられますが、食事だけで必要な量を摂取するのは難しいので、栄養補助食品で葉酸を補うことも記されています。
■夫婦そろっての摂取がおすすめ
葉酸というと、女性に欠かせない栄養素と思われるかもしれませんが、男性も摂取するといいでしょう。葉酸は精子の生成にも関係していて、精子の染色体異常を軽減させるとの研究報告もあります。妊娠を目指しているご夫婦なら、おふたりで葉酸摂取を習慣にされてはいかがでしょうか。