精液検査をしたところ、奇形精子の確率が高かったのですが、子どもに障害が出る確率が高まることはないでしょうか?
■奇形精子は受精しないので心配ありません
奇形精子が多いからといって、お子さんが障害を持って生まれる確率が高まるということはありません。そもそも奇形精子は卵子まで到達できなかったり、受精しないからです。不妊治療で顕微授精をする場合も奇形精子は除外して行います。
奇形という言葉から奇形児をイメージするかもしれませんが、あくまでも精子の形態が正常とは異なるということです。安心してください。
■奇形率が高いと不妊の原因にはなります
奇形精子が多ければ多いほど不妊の一因にはなります。WHOの精液所見では、正常形態精子が15%未満の場合、奇形精子症としています。
この他に精子の異常として挙げられるのが、精子の数が少ない乏精子症や、前進運動精子や高速直進精子が少ない精子無力症などです。
こうした異常の原因ははっきりとはわかっていません。これといった治療法があるわけでもありません。ただし、正常な精子があれば、体外受精や顕微授精などの方法で十分に妊娠を目指すことは可能です。
■なるべく早めに検査を受けましょう
精子の状態は体調やストレスなどの影響を受けて、かなり変動します。一度、精液検査の結果が悪かったとしても、再度検査をしたら正常だったということもあります。
精液検査や不妊治療に抵抗を感じる男性は少なくありませんが、お子さんを希望して治療を受けるなら、なるべく早く検査を受けることをお勧めします。