Q,体外受精と顕微授精に使う卵子はどうやって分けているのですか。
成熟していそうな卵子を優先的に顕微授精に用い、残ったものを体外受精にします。
採卵時の卵子には成熟しているものと未熟なものがあります。成熟しているかどうかは卵子そのものを見ればわかりますが、採卵した卵子は顆粒膜細胞で覆われているため、成熟具合を見ることはできません。ですから顆粒膜細胞の状態から卵子が成熟しているかどうかを予測します。
そもそも卵子が成熟していないと、精子が入ってきても受精することはできません。顕微授精は1個の精子を卵子に注入する方法なので、顕微授精に用いる卵子は成熟している必要があります。
一方、体外受精では卵子の周りに精子を泳がせた状態で数時間~1晩置くので、その間に卵子が成熟すればいいのです。
こうして、顕微、体外それぞれの受精する可能性を高めることができます。