受精卵を移植する前に染色体の異常がないか調べられますか?
■移植前に染色体異常を検査するのは難しい
移植前に染色体異常の有無を調べることは日本では倫理的に難しいですね。
ただし、ご夫婦のいずれかに染色体異常があって流産を繰返している場合には、所定の確認・手続きをし、日本産科婦人科学会の認定を受ければ検査できます。
もちろん、「男女の産み分けしたい」という理由では認められません。
■流産を繰返す場合は原因を探って、治療へ
流産を繰返している場合には、まず、不育症の検査をして原因を探ります。
不育症の原因は先に挙げたご夫婦の染色体異常のほかにも、胎児の染色体異常や抗リン脂質抗体症候群、クラミジアなどの感染症によるものなどいくつかの原因があります。
このうち胎児の染色体異常は対処法はありませんが、ほかの原因なら治療法があるので、そちらの治療をすることになります。
■形状の良い受精卵を選んで移植する
移植にあたって、少しでも妊娠率を高めるためにできることとすれば、培養した受精卵(胚)のうち、形状の良いものを選んで移植することが挙げられます。
もちろん、形状の良い胚がすべて妊娠に結びつくわけではありませんが、移植前にできることといえます。