染色体異常が増える原因は年齢以外にもありますか?
■染色体異常が増える原因は『年齢』
ご両親に染色体異常がない場合についていえば、原因はやはり年齢です。女性の年齢が高くなるにつれて卵の数は減ってきます。卵の数が減ると、排卵するときに染色体異常の卵が排卵される確率が高くなるということですね。ですから、単純に年齢というよりも卵巣年齢が高くなると染色体異常が増えるといえます。
年齢以外に原因として指摘されているものは、今のところありません。ですから、出産をするにしても、不妊治療をするにしても、なるべく若いうちがいいといわれるわけです。
■両親に染色体異常があると受精卵に遺伝することも
ご両親のいずれかに構造的な染色体異常がある場合は、遺伝することがあります。受精卵に遺伝すると流産してしまうわけです。
ですから、流産を何度も繰り返す場合、いわゆる不育症が疑われる場合は、ご両親に染色体異常がないか調べることはあります。
ただし、ご両親に染色体異常がないか調べるのは、とてもデリケートな側面もあります。
検査の結果、どちらかに染色体異常が見つかった場合、それがもとで夫婦仲がこじれてしまうケースもあるからです。
そのため、ご両親の染色体検査をする場合は、専門施設でカウンセリングを受けたうえで検査をするといった準備や手順が必要です。検査自体はすぐにできるのですが、検査を受ける準備ができているかが、とても大切になります。
■染色体検査を受ける前に
実際に染色体検査を受けて染色体異常が見つかるケースは多くはありません。男性が無精子症の場合は染色体異常のこともありますが、その場合も専門施設で手順を踏んだうえで検査するのが望ましいでしょう。
「不妊原因を知りたい」「流産する理由を知りたい」といった気持ちはあるでしょうが、いざ検査結果が出たときに、自分に原因があるとわかったら...、相手に原因があるとわかったら...。施設によっては、ご夫婦が希望すれば、どちらに異常があったかは伝えず、単純に異常の有無のみを伝えることもあるようです。
いずれせよ、検査を受ける側の心構えが必要といえるでしょう。